50代の夫婦と知的障害があると思われる息子の三人家族。リストラされた父親は就職活動を頑張るんだけどうまくいかなくて、ハロワ行ったり役所っぽいとこいったりして心が折れそう。
しまいには「もう家売るしかない」って言われるし、やっと見つけた仕事も「俺なんでこんなことやってんだろ」って言わんばかりの表情だし、見ているこっちの気も滅入る。
主人公はあんまり気持ちを言葉に出さないから、観客はただ淡々と彼の置かれた状況を見せられているだけ、でも彼がプライドとかこだわりとか、生きるために必要のないものを少しずつ捨てている事だけは感じる。最後は、自分を取り戻せたのか……。
こういうおじさん、世界中にいっぱいいるんだろうな。
起承転結も盛り上がりもなく、娯楽要素はゼロ。中高年は気分が沈み、若者は将来が不安になる映画です。
心理描写やカメラワークなどは素敵だったので映画を芸術作品と考える人たちからの評価が高いのは理解できるけど、映画にスリルやワクワク感や感動を求める私にとっては残念な内容でした。