ティエリー・トグルドーの憂鬱の作品情報・感想・評価

ティエリー・トグルドーの憂鬱2015年製作の映画)

La loi du marche

上映日:2016年08月27日

製作国:

上映時間:93分

3.4

あらすじ

ティエリーはエンジニア一筋で働いていた会社から集団解雇された。当初はストライキを起こしてでも闘うと仲間に息巻いていたが、結局、会社を辞め職安に通うことになる。頑固な彼は今さら、就職面接を受けても上手く対応することができない。就職訓練の場でも、年の離れた若者からその堅さを容赦なく指摘されて、面目をなくす。そんな彼の唯一の救いは、妻と身体障碍を抱えた息子の存在だ。家族といる時は、世間の厳しさを忘れる…

ティエリーはエンジニア一筋で働いていた会社から集団解雇された。当初はストライキを起こしてでも闘うと仲間に息巻いていたが、結局、会社を辞め職安に通うことになる。頑固な彼は今さら、就職面接を受けても上手く対応することができない。就職訓練の場でも、年の離れた若者からその堅さを容赦なく指摘されて、面目をなくす。そんな彼の唯一の救いは、妻と身体障碍を抱えた息子の存在だ。家族といる時は、世間の厳しさを忘れることができる。ティエリーはようやくスーパーの警備員の仕事に就くことができる。希望していたエンジニアの仕事ではないが、今はそんなことは言っていられない。しかし、彼はそこで、買い物客だけでなく自分の同僚たちまで不正をしていないかを監視し、発見した場合には告発しなければならないことを知る。ある日、告発によって、従業員の一人が自殺し、彼は会社側の厳しい対応に内心疑問を覚えるが―。

「ティエリー・トグルドーの憂鬱」に投稿された感想・評価

あらすじを読んで、楽しい映画ではない事は承知していたが想像通りそして邦題通り憂鬱になる。

音楽をほとんど使わず、エピソードを淡々と積み上げていく。

大げさな演出も殺人も恋愛も謎解きもどんでん返しもない。あるのは今の現実だけ。それ以上でもそれ以下でもない現実を提示するだけ。泣きわめかない。拳を上げない。立ち上がらないし異議申し立てもしない。

そういった意味では非常に好みの作品のはずなのだけれど。

スカイプによる就職面接って日本でも既にあるのだろか?
 現在、もはやどの文明国も大きな成長を望めない段階にきている。右肩上がりは20世紀でほぼ終了し、下り坂の時代になったのだ。そこにグローバル化の波が押し寄せ、人も金も物も国境を越えて自由に行き来するものだから、国家という枠組みでは制御しきれない状態になった。そこで20世紀の後半から、各国政府の代表はサミットだとか、G20だとかで問題の解決を図ろうとしてきた。しかし発案者の意図とは違って、各国の政治家は旧態のままで相変わらず自国の利益優先だ。だから何度会議をやってもグローバル化による問題は解決せず、世界はいつまでも安定しない。それは取りも直さず各国の国民が世界の安定よりも自分の利益を優先していることに等しい。

 主人公トグルドーもそんなグローバル化と下り坂の影響で生活に支障をきたしているが、腐らずに淡々と向き合おうとする。だが他人の小さな悪事に目を凝らす仕事に鬱々とする日々が続く。

 フランスはさすがに哲学の国だ。救いようがない状況をそのまま描く。そして安易な希望は抱かない。映画は見ている時間だけではなく見終わってからも何日も何か月も余韻が残り、主人公の後ろ姿がいつまでも目に浮かぶ。

 邦題「ティエリー・トグルドーの憂鬱」は、安直でお手軽な発想ではあるが、この映画に限っては邦題として秀逸である。原題の「La loi du marche」は無理に和訳すると「市場の法律」みたいになる。巨大スーパーの警備係の苦労話に矮小化しているみたいで、映画のタイトルとしては珍しく邦題の方が優れていると思う。

 イギリスの詩人Wystan Audenの作品「THE NOVELIST」に次の一節がある。
For, to achieve his lightest wish, he must
Become the whole of boredom, subject to
Vulgar complaints like love,
どんなに軽い望みを達するためにも
小説家は憂世の倦怠の全量に化さねばならぬ、
恋みたいな凡俗の嘆きにも身をかがめ、
(深瀬基寛訳)

 友人や同僚たちの悩み、家族の不幸を背負ったトグルドーのやりきれない背中を見るだけでも価値がある映画だ。
ヴァンサン・サランドンはやはり上手い。
ダルデンヌ兄弟『サンドラの週末』のマリオン・コティヤール想起した。
リアルな話すぎて心に鉈ぶっ刺しながら最後まで見ちゃった
憂鬱…でも現実…
emi

emiの感想・評価

2.5
観ていて本当に憂鬱になる、真面目に生きていても人生は厳しく不条理なものなのだという映画。確かにヴァンサン・ランドンは好演だけど。
もやし

もやしの感想・評価

3.5
うーん確かに憂鬱だ…



長年尽くした会社リストラされて、再就職先中々見つからねえ、ようやく見つかったけどろくな仕事じゃねえ、って話。



障害持った息子の真っ直ぐさが切ない。



やっぱり家族を支えるというのは生半可じゃないんだなあというのを思わされるね。

日常で起きる色んな出来事がいちいちめんどくさい。それを全部背負わなきゃいけない。
さぞ憂鬱だろうと思う。何を目指して生きてるのかよくわからなくなったりもするんじゃないかなと思う。




ようやく見つかった仕事は、客の万引きや従業員の不正を見張る仕事。

もう防犯カメラに写ってるから言い逃れなんてできないのに、皆最初は絶対やってないって言うのな。
何でなんだろう。印象悪くなるだけなのに。
なんか長い問答がリアルだった。




この映画には何かを批判するような意図は見えない。
ただただ日常。
今の世界の実状をただただ写してるだけって感じがした。

最後のエンディングだけがドラマティックで、あ、これ映画だったんだなと思った。
LaserCats

LaserCatsの感想・評価

4.0
ティエリーを取り囲む現実は辛いものだが、こういう状況に置かれている人はたくさんいるだろうし、自分も他人事と思えなかった。
ヴァンサン・ランドンが素晴らしい。
M

Mの感想・評価

2.9
予告が面白そうだったのでDVD鑑賞。
結論からいうとちょっと思ってたのとは違ったけど最後まで観れた。

前半は失業中の冴えないおじさんが厳しい現実の中それなりにがんばる。
タイトルどおりなかなか憂鬱。
後半は職を得てそれなりにがんばる。
しかしある出来事もあってやはり憂鬱…

特段とりえの無い普通の人たちにとっての仕事を得たり維持したりするのって結構大変だよね、トシもとるしさ。
雇ったりクビにしたりする立場の人もあんまり楽しくはなさそう。
がんばって所属した会社から得られるものも多くはない。
この仕組みってなんなのー

フランスでヒットした映画らしいけど、日本とは映画に求めるものが違うのかなー
2018年9本目
始まった時、「あれー?私これ観たけど」って、なってしまうくらいのケン・ローチ感。
すっごく面白かった。
カメラワークで酔ったけど( ;∀;)

ケン・ローチよりも容赦無い現実を突きつけられた。
日本も『明日は我がミーティング』とかゆう、あまり参考にならない番組作るなら、本当のところの、明日は我がミーティングとして、こうゆう問題を取り上げるべき。
人非人

人非人の感想・評価

3.0
万引きする人たちがもっと突拍子もない言い訳をしてもよかった。単調。面接練習の講習で主人公が参加者からボロクソ言われるのは良い。
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