このレビューはネタバレを含みます
チェルシー・フラワー・ショーをうっすら知っていますという事と、トム・ヒューズが出ていなければ見ることの無かったであろう本作。お仕事がんばる女子♪を強調した宣伝の仕方も全く響いてこない。
しかし、そんな軽い話じゃぜんぜんなかった。まずフラワー・ショーの権威主義と意味のないルールの多さに驚いた。そこを乗り越えるぞ、自然に対する世間の意識を変えるぞ、方向性は同じなのに分からずやの、でも気になる男子をなんとか口説くぞのいくつもの障害を乗り越えるどすこい映画じゃないか!
イギリスに行っても田舎には全く行く気にもならなかったのは、私が田舎育ちで田舎はいつでもそこにあるもの、と思っていたからだと思うのだが、それも幻想かもしれないと思えてきた。作られた自然に、あのブワッとした草いきれがあるだろうか。
エチオピアの砂漠の緑化を見ると、フラワー・ショーなんてお遊び、というのも一理あるけど、メアリーの言う通りどちらも大切。壮大すぎて伝わらないものを、分かりやすく心地良く伝えることも必要だ。
トム・ヒューズがエチオピアによく溶け込んでいた。昼間もいいけど…夜、焚火、プラス、トム・ヒューズ、おかしくなりそうなほど、官能的。
メアリーさんのインタビューを後から読んだけど、意地悪なシャー以外はほとんどすべて真実とのこと。メアリーはクリスティを一度も言葉にして「愛してる」とは言ってないけど、そのへんはクリスティのほうがデレてたけど、きっと、そうだったんだ。