ドクバリ

マンチェスター・バイ・ザ・シーのドクバリのレビュー・感想・評価

4.1
面白かったです。

まさかマンチェスターがイギリスのマンチェスターではないとは想像もしていなかったので、物語の序盤で軽くパニックになりました。

とにかく重い映画なんですが、なんだか場面の撮り方が不思議でした。

専門的なことは分かりませんが、シーンをブツっと切ったり、映像は流れているけど音声が無かったりするってシーンは、自然と見ている側はシーンの足りない部分を補完しようとするので、結果として劇中の映像の先にある物語を想像する形になり、それがなんとも自分で映画を作っているようで心地良かったです。

⛴ストーリー
〜公式サイトより抜粋〜
アメリカ・ボストン郊外でアパートの便利屋として働くリーは、突然の兄の死をきっかけに故郷マンチェスター・バイ・ザ・シーに戻ってきた。兄の遺言で16歳の甥パトリックの後見人となったリーは、二度と戻ることはないと思っていたこの町で、過去の悲劇と向き合わざるをえなくなる。


ちょいちょい笑わせてくるシーンがあったのも印象的でしたね。

病院で兄の病状を家族で聞くシーンなんかは、似たもん同士の家族なんだなって感じがツボるし、先生の「良い病気」発言には、「良い病気って何だよ」と思わず兄と同じツッコミを心の中でしてしまいました。

リー(ケイシー・アフレック)とパトリック(ルーカス・ヘッジズ)の掛け合いも聞いててイライラするんだけど、そこが面白いんですよね。
車が見つからねーってシーンとか、パトリックが引っ越したくねーってゴネるシーンとか。
ぶっきらぼうに話すリーと、いちいち余計な皮肉を被せて返してくるパトリック。
どっちも悪いし、どっちも悪くないっていう絶妙な会話のサジ加減、、元気な頃のリーと子供の頃のパトリックの仲の良さそうな回想シーンも出てくるだけに、余計にグッときます。

パトリックのバンドの練習シーンも普通に笑えますけど。

まぁ何はなくとも結局はケイシーアフレックの名演技ですね。
リーチャンドラー‥やさぐれた便利屋‥名前を聞くと皆が顔をしかめる‥酔っ払えば難癖をつけて殴りかかってくる‥元来は明るく人当たりの良い性格だったであろう彼の性格を捻じ曲げてしまうほどの出来事‥
ドアをぶち破るシーンは最高でした。
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