あべ

マンチェスター・バイ・ザ・シーのあべのネタバレレビュー・内容・結末

4.6

このレビューはネタバレを含みます

ふおお、、これは絶対好きなやつだなーと思いながらずっと見てなかったけど、ようやく見た。好きなやつでした。でもあらすじから想像し得るような収まりが良い物語とは違っていてそこがまた良かった。

I can't beat it.
私はここで涙が溢れてしまいました。
耐えられないのだ。パトリックにとってはすべてがあるこの町が、リーにとっては耐えられない。止めどなく過去が溢れてくる。
パトリックの親代わりとなり彼と一緒に過去のトラウマに向き合い人生が好転する、といった結末にはならない。彼らの人生は一時交わりまた別々の道をいく。
リーはもう変われない人なんだなあ。
ケイシーアフレックすごかったな。目の前にいるはずなのにまるで違う世界に存在してるかのような、ズレた存在感。この人だけ時間の流れが違う。
元妻の言葉もきっと彼なりに受け止めて、救われたというのも本心なんだろうけど、もはやそんなものではどうにもならないところまで行ってしまってるんだよな。
彼が飾ってる3つの写真立ては最後まで画面に映されなかったけどきっとそういうことなんだろうな。
この「変われない」という結末がすごい良くて。だいたい変わるじゃないですかこういう映画って。

現在とシームレスに繋がれる過去の演出も良かったし定点的というかあまりカメラが動かないのもよかった。
あと全体的にそこまで深刻にならずなんなら笑っちゃうような滑稽さも漂っていたのがまたよかった。オフビートな笑いってこういうことでしょうか。
まだ寒いから春先に埋めたい。それまで死体どうすんの?冷凍だ。
のくだりコメディすぎる。リーは至って真面目なのがまた笑える。
あべ

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