リーは過去の後悔や癒えない傷をかかえているが、特別な出来事が起きてそれを乗り越えたり、誰かの言葉で劇的に癒されるのではなく、日常の中で、それらの痛みを抱え続けて生きることや、どのように折り合いをつけるのかが描かれている。
かなしみは「乗り越えなければいけないもの」ではなくて、むしろ抱え続けることが自然で、それでいいんだよと示しているように感じた。
クリープハイプの尾崎さんがフジロックのmcで「満たされなさとか悔しさとか寂しさはずっと消えないけど、そういう足らない気持ちをこれからも大事にしていきたい」って言ってたことを思い出した。そういう消えない気持ちを否定せずに大事にすることは、自分を受け入れることでもあるのかな。
終始暗くて重いけど、温かさを感じられる作品