停滞しているようで前進しているお話
淡々としているようでカッと熱いもの秘めていて、でもやっぱりなにか足りてない感じの主人公が過去のエピソードも踏まえ描かれていくお話
甥との関係性が絶妙で、彼の甥への愛情と責任感は感じられるのだけれど、彼の断る基準でのぶっきらぼうさと甥の反応にクスッとくるところもあり
繰り返される過去の船上のシーンは純粋に楽しかった頃の思い出であり、その楽しい延長線上にいる甥と、あらゆる土地の思い出よって耐えがたい経験を想起させられる主人公との船の扱いの差異が哀しい
結果としてはあのような終わりだけれども、苦しいだけでない思い出が主人公を救ってくれると思いたい