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犬王のgrandpeutetreのレビュー・感想・評価

犬王(2021年製作の映画)
3.5
猿楽のお話

よく動くアニメはそれだけで観ていて楽しい

人物は全体的に大仰ながらもリアルさがある動きで、序盤の犬王は異形でどう動くのが正しいかわからないのに、これがリアルな動きで破綻してないんだという説得力を感じました

犬王の舞台は三段階に進化して、
最初の舞台はこの時代にこれやったらそれはウケるだろうというレベルで、
2回目は現代でもウケる、というか現代でもできる気がしないけど、それでも裏方を映してるからなんか現実的にできてしまいそうに感じるレベル。
3回目は月蝕まで利用した、仮想空間ライブなら今後見られる可能性があるくらいのを現実世界でやっていて進化がヤバい。あの時代にあれを鑑賞したらその後の演劇見られなくなるんじゃないかな。
空間を感じるアニメ作品。

音楽は現代的。和楽器で型破り感のある音を聞きたかったかもしれない。

父親の亡霊が数十年で小さくなったのを思うと、最後の再会は犬王の魂というか情熱の大きさすごいよね。おそらく終生まで栄華を極めていても尚満足しない、消えなかった思い。
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