Maki

マンチェスター・バイ・ザ・シーのMakiのレビュー・感想・評価

3.6
マンチェスターバイザシーの美しさと侘しさが混合する街並みと、悲しくもじんわりと暖かさが滲み出るストーリーが上手く合わさっている作品だった。

次々と明かされるリーの過去を知るにつれ、何気ないシーンの見方もガラッと変わる。また、淡々としたストーリーだけれど、日常のユーモラスな部分を上手く映すことで最後まで引き付けられた。

そして主演のケイシーアフレックの演技力が凄い。マット・デイモンが役を譲ったらしいけど、この役はケイシーにしか出来ないと思った。感情の些細な揺れや、孤独、喪失、悔恨といった様々な気持ちがよく表れていた。

消して過去は変わらないし痛みも癒えることはないけど、それでも甥と歩み寄る姿には心打たれる。御都合主義ではない、これが現実。冷凍庫のシーンと三枚の写真立ての演出が好き。
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