みんたろ

菊とギロチンのみんたろのレビュー・感想・評価

菊とギロチン(2016年製作の映画)
3.9
めっちゃ長いけど、なんか好きで2回観た。
ちょっと空回りしたプライド高い人の役、東出昌大が演じたら輝きまくる。
東出昌大、この中濱役が一番好きかも。

とにかく濃い作品。
オススメはしないけど、観て損は無いと思う。

他のユーザーの感想・評価

デニロ

デニロの感想・評価

3.5
高校生の頃、何かで大杉栄の写真を見た。眼が強くて引き込まれそうだ。隣の伊藤野枝も同様で目の強い美人としての記憶が残った。いや、おふたりの娘М子の眼が鋭くて、大杉や野枝の印象に影響を与えたのかもしれない。

後年、伊藤野枝の写真を改めてみたけれど、えっ、と思った。いや、こんなはずはないんだけど、という驚き。若いということは眼も経験が浅く、血迷ってしまうものかもしれない。そして、自分の傍にいる本当に素敵なひとが見えていない。

当時購入したハードカバーの「大杉栄集」と、「季刊ピエロタ 大杉栄特集」等がいまだに段ボール箱に蔵われています。思想に共感していたのかもよくわからない。でも、同時代に生きていたら行動を共にしようと考えたかもしれない。本作のアナーキストのように。かも、だけれど。

本作の予告篇を観た覚えがあるが、女相撲のことばかり残っていてギロチン社のことは抜けていた。そして、女相撲とアナーキストの絡みは意味ないな、と思った。でも、アナキズムは多分に自由主義的傾向の強い主義でもあるので、まあいいか。

瀬戸内寂聴の「美は乱調にあり」「諧調は偽りなり」を読むと、本作の登場人物が活写されている。映像化された彼らを観るのも楽しいものでした。
machizo

machizoの感想・評価

3.7
劇場公開時に予定が合わず観れてなかったものをやっと観た。天皇万歳が苦しかった。女の生きづらさは共感しすぎる。ギロチン社については少し知ってたけど女相撲については全然知らなかった。そしてこの組み合わせはなるほどと思う。3時間は思ったより長く感じなかった。
mh

mhの感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます

廃れてしまって久しい日本の芸能――女相撲興行と、関東大震災にまつわる二つのトピック――朝鮮人虐殺と”主義者”弾圧を掛け合わせた野心作。
タイトルになってるギロチン社のほか、
・ボル派(ボルシェビキ派)
・十二階下(浅草・凌雲閣の近くにあった飲食店街=私娼窟)
・アパシュ
・主義者
・リャク、掠屋
など、ググらんとわからんような単語がバンバン出てくる。
アナキストが企業をゆすって活動資金を得ることをリャクと呼んでていて、掠屋とは志を失った連中――いわゆる会社ゴロのことらしい。掠屋はその後、時代を経て総会屋になっていくことことだ。
東映やくざ映画「暴力金脈」を見てたので、その始まりという意味でも興味深かった。
時代考証がしっかりしているのも特徴で、女相撲興行の再現は微に入り細を穿つ。大相撲に敬意を表して横綱がいないので、最高位は大関とのこと。
力士同士が四股名で呼び合うのもいいね!
新選組が喧嘩したのは女相撲じゃなかったけど、明治大正のころはああいった興行グループがいくつもあって、全国を巡業していたとのこと。
当時の興行界のほとんどがそうであったように、社会的弱者のセーフティーネットになっている様子も余すことなく描いている。
普通の映画では省略されがちな、勧進元(歩方)と興行社の関係も描かれてた。
法的な後ろ盾がない在郷軍人会の微妙な立場は初めて見たかも。えばり散らしても所詮は自警団。現役警察から嫌味をいわれてもいいかえせないプロットが素晴らしい。
その在郷軍人たちが朝鮮人虐殺を率先して行ったという筋書きなんだけど、これはかなり的を得てそう。
日本人は基本極悪だからそこらへんの帝都市民が手を下したという映画「金子文子と朴烈」で描かれた関東大震災における朝鮮人虐殺にはなかったリアリティがあるように思ったけどこのあたりは見るひとによって意見が分かれそう。当然のようにアマゾンレビューは荒れている。
「俺がやったわけじゃないけどごめん」というセリフも自然に聞こえた。物議を醸すことが分かっているのにこのセリフを残したスタッフをたたえたい。
在郷軍人たちのいいぶん、ロシアと戦ったけど「なんのためだったのかわからない」というロジックはわからなかった。悪いやつにもそれなりの理由があるという作劇は少々古いと思った。レイシストはレイシストってだけで十分な罪と思う。
爆弾投擲もキャラとの整合性が取れてない気がしてひっかかる。
ただ、それらを補って余りある勢いと面白さがあった。
なにかに取りつかれたかのように天皇万歳を繰り返すのはリアルじゃないけど素晴らしい誇張だった。
あと、東出昌大の演技がひどかった。
面白かった!
nnm

nnmの感想・評価

-
時代が揺らげば揺らぐほど貧困と暴力と男女格差がつよく繋がる。もっとブレイクスルーな相撲物語と思っていたけど、そうだったら逆に時代背景が邪魔して素直に観れないか...自分のために強くなって勝たなければと思う。でも最後の勝は強くなってもどうにもならないと言っているようで苦しい。

このレビューはネタバレを含みます

無政府主義者たちを題材としているだけあってか、極めて自虐史観的な描写が作中で随所に見受けられる。3時間という上映時間も冗長。主人公の強くなりたいという願いも報われずに終わるので、結局何を描きたかったのか分からない映画だった。
なび

なびの感想・評価

3.4
時代背景が好きで見てみた、
いい事悪いことは置いといて自分がやりたい事、そうあるべきであると望みを叶えようとするのが良かった。
激動の時代でもあるし変わる世相に当時の女性への当たりも強かったけど女相撲はカッコイイなと思う。バキもそうだけど戦う姿はいいな〜
いぬとみた
な

なの感想・評価

3.6
壮大なエンタメだった
なんかやりたいこと全部やる感じが好き
ギロチンと女相撲を引き合わせる力もすごく、見た後に満足感を得た
3時間越えの映画を職場の昼休みに見始めた俺が悪いのは分かってますが、ぶつ切りで見たため没入できませんでした。
自国の過去の恥ずべき行為をきちんと描き伝えるということはとても大切なことである。ただ映画としては、全て安っぽい劇にしか見えなかった。とても残念。
なげー!!
長いことを除くと、とってもいい映画で約100年くらい前?の時代に想いをはせることができました。

見始めてしばらくは、意図がわからなかったのですが
大戦前の軍国主義一直線の日本を舞台に、弾圧される無政府団体と女人禁止が進む相撲という話が精神的な意味で重なり、なるほどー!となりました。
プラス、ロマンス要素も加わりエモい!!(この言葉嫌い)

ギロチンがやりたかった革命が良くわからないのは、きっと自分に知識がないからだろーなーとも思った。
エロって言葉ってこの時代にもあったのかなーって気になった。
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