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菊とギロチンのyadokariのレビュー・感想・評価

菊とギロチン(2016年製作の映画)
4.0
3時間はちょっと長かったか。もしくは前後編にしても良かったかなと。船で中濱と大次郎と十勝川で朝鮮に向かうところで切れてしまう感じ。女相撲のシーンはハリウッドやボリウッドの格闘シーンにはない体当たり的な客席も交え)一体感はあった。それと相撲甚句のシーンとか良かった。

国も事情も違う女がそれぞれの悪環境から逃げてきて強い女になりたいという花菊に代表される健気さと十勝川の日本人に虐げられてきた反抗心とそれにギロチン社の男たち。面白い組み合わせであり物語も良く出来ていた。韓英恵演じる十勝川の「天皇陛下万歳!」の叫び声。

関東大震災の朝鮮人虐殺の話が出てくるのだが、そのフェイクニュースを広めたのが正力松太郎だったというのも出てくる(この時は警視総監)。それで大次郎が暗殺を企てるのだった。だから読売新聞には載らないだろうね。

長過ぎるというのはあるけど韓英恵の「天皇陛下、万歳」が一つのクライマックスでその後で大陸に渡るところで終わってもいいような気がしたが後のグダグダがギロチン者(大杉栄の子分たち)の面々なんだよな。東出昌大の中濱鐵ははまり役だ。相撲甚句や太鼓ダンスのBGMもいい。
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