ルコペトリ

菊とギロチンのルコペトリのレビュー・感想・評価

菊とギロチン(2016年製作の映画)
3.9
今のこの国では馬鹿げた夢物語りをする人間すらいないように思う。いとも容易くそういう無邪気さは削ぎ落とされる。みんなで声を潜めている…

女相撲が存在していたことは知らなかったけれど、人種差別も男女差別も程度は違えど、今も在ることに変わりはない。様々に事情を抱えながらも奮闘する彼女たちに勇気を貰える。
終始場違いなひょうきんさを醸し出す中濱に苛立ちを覚えて、そのあんまりに可愛さすら感じた。一貫して飄々としているところが作中である種のテンポになっていた。

音頭のようでいて、でもどこか軽妙さが失われていて、ある時には緊張感さえ生むあの音楽が独特で耳に残る。

この作品は抽象的に"感じる"ものが多く、それをまた言葉に変換していくのは正直難しいと感じた。というのは言い訳。