先日「沈黙」を観たのだけど、この作品では僧侶である野村萬斎が仏なんていやしないじゃないかと哀しみ、怒りを抑えるシーンがある。結局そこに行きつくのだが、彼はまた彼なりのやり方で命を賭ける。見応えがあった。
基本的に淡々と話は進み、ほぼ野村萬斎という本来、映画役者ではない役者の独特な演技だけで作品は構成され、そして成立している事に驚く。茶道にも華道にも全く興味がないが、十分引き込まれるから凄いなと感心する。
またしても(って個人的にだけど)佐々木蔵之介が良い味出してる。少ない登場シーンだけど素晴らしい。
結局ファンタジーといえばファンタジーなのだけれど、死罪やあらゆる死が日常化している時代に花を生ける事、祈る事で、人としての尊さを守ろうとしている描写が心に残る。
ラストシーンも綺麗だった。