ノルウェーの世界遺産に認定された自然豊かな景勝地を舞台にフィヨルドの岩盤が崩落した事で津波を回避しようと逃げ惑う住民の結末を描いたディザスター映画。主役の父親が岩盤事故の前兆を読み取ったり身体的に無敵な要素が多すぎる事からザロック様主演枠の災害パニックものに比較的近かった。前半の優雅に構えるリゾート感と後半の地獄巡りのような光景の対比は緩急を効かせ地形が限定されてる事からも範囲を絞ってて手堅い災害映画だった。
中盤で津波から逃げ切れない事を判断した主役が一緒に逃げ遅れた女性と車内に残りそのまま津波に持ってかれる流れは(不可抗力が生じても)さすがに助からないだろ…と感じたのは自分だけだろうか。終盤のホテルで水中という地形を駆使しエンタメを張ったのも王道的ではあるがいい。実際の観測データに基づいた作品とかで押し寄せる高波の脅威をただ呆然と眺め逃げ遅れる民衆の描写は限りなく現実的に描かれていた。監督の次作『トゥームレイダー(2018年)』を観るうえでは鑑賞した甲斐があった。
