韓国映画の光の見えない、突き抜けられない虚しさが存分に描かれたサスペンス。
こういう映画をみると、人って一つ何かが欠け始めると雪崩のように負のスパイラルから抜けられなくなってしまうのかと胸がもがれそうになる。
射撃の選手で晴れやかだったのに、事故をきっかけに両親を亡くし、自分だけ助かるも言葉がうまく話せなくなってしまう主人公に訪れる悲劇。
これがもし現実なら、主人公はいくら被害者でも彼女のとった行動は責められてしまうのに、映画だからか悪魔に心を売ってでも守ろうとした何かに共感せずにはいられない。
光の見えない苦しさの中で、友達とお揃いのルージュを塗るたび凛とする姿に息を呑む。