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ウインド・リバーのnanaのネタバレレビュー・内容・結末

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

重い現実の問題点を提示しつつしっかりエンターテイメントなところが素晴らしかった。監督の気合いが感じられる作品全体を貫く緊張感。3部作のラストらしくボーダーラインから一歩進んだ感じ。
脚本出身なのに風景の見せ方とかアクションの演出が冴えててよかった!この監督の作家性好きです。


明らかに殺人なのにそうとは捉えられない、組織間のジレンマ。本人の無念さと残された人を思うと言葉もない。張り詰めたガンアクション場面とラストのマーティンが娘を弔いたいけど部族としての文化が受け継がれてないから自己流で、の場面のメリハリも良かった。


ジェレミー・レナー、娘の為に休むのを覆して主演しただけあって一流のハンターの面と父親としての顔どちらも良かった!
エリザベス・オルセンも難しい役を身体的にも精神的にもしっかり演じてて、もっと演技見てみたい女優さん。


ジョン・バーンサルが出番ちょっとだけど凄いインパクトでした。犯人達と同じなようで真逆の存在で、彼がベッドで語る生き生きとして美しく彩られた外の世界と人々。恋人を慈しむ様。居留地の犯人達が持ってないもの。2人の表情と会話がとても美しく、その結末の悲しさを際立たせた。ここで時間軸を捻ってあって直しを求められたらしいですが、この映画の肝だから監督の意志を通して正解だと思いました。

ボーダーラインの続編も早く見たい!
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