Noi

ウインド・リバーのNoiのレビュー・感想・評価

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
3.7
『スリー・ビルボード』に現れる怒り要素をぐっっと抑えたような映画。静かな怒りと追撃という感じ。

白雪と静寂だけが残った町で起こるアメリカの闇を垣間見せるような惨劇。多くのネイティブアメリカン女性が失踪する中で、これが1つの実話だとすると本当に悲しい。

ジェレミー・レナーの演技がとても良かった。自分も同じような形で娘を失くしたという傷を所々に見え隠れさせながら、犯人を突き止めて行くハンターを好演。
娘を失くした友人にかける言葉、「事実を受け入れて苦しめ。苦しいが、娘との思い出は全部覚えていられる。苦しみを葬り去ってしまえば、娘のことも忘れてしまう。」という言葉はとても心に残った。『君の名前で僕を呼んで』のお父さんが失恋したエリオにかける言葉と似ているところがある。もう忘れ去ってしまいたい、感情を感じたくないと思うほどの辛いことがあっても、ちゃんと受け止めて時にはとことん落ち込むことも必要。自分のためにも、愛する人のためにも感情は大切にしにないといけない。

雪に埋もれる町に似合わずも、強気に熱心に事件を追いかける警官を演じるエリザベス・オルセンもすごく役に合っていた。
2人ともアベンジャーズでいいコンビ見せてくれてたからめっちゃ安心感あり。

角川シネマ、音響がとても良かったです。
ピューマは退治しちゃったのかなぁ。
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