あらゆる理由で極限の土地に住んでいる人々の「人生の選択」を容赦無く提示する。
辺り一面雪の荒野で「法が機能しきってない土地」、そこにやってきた土地のルールを知らない女性、主に彼女に関わるのがその土地の勝手知ったる2人の男性、ということで観賞前の予想以上に「ボーダーライン」を彷彿。
ただ空撮の使い方は真上からゆっくりのっぺり撮るヴィルヌーヴと違って少々斜めにハキハキ撮る感じで、明らかな違いを見せた。まあここはヴィルヌーヴが普通じゃないということなんだろうけど。
今作も「ボーダーライン」と同様、予想をさせない展開で観客をどんどんと闇の中に引きずりこむ。特にある驚くべき演出からの展開、ここは紛うことなく「監督」としてのシェリダンの力が発揮されていた。
そしてジェレミー・レナーの圧倒的漢っぷり…!ホークアイの時とは違って常に落ち着いてる雰囲気で物語をグイグイ引っ張ってくれる。でもやるときはやる父親なのは変わらない。
ジョン・バーンサルが出てきた瞬間にはやっぱり空気が変わる、画になる俳優ですわ。
「ボーダーライン」が合ってた人は観ないという「選択」は出来ないんじゃなかろうか。