ソラアユム

ウインド・リバーのソラアユムのレビュー・感想・評価

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
4.8
白い狩人


ウィンドリバー保留地で起きた事件に生物局のハンターとFBIが挑むサスペンス

去年見逃した作品を年末年始に一気見しようと思い拝見。評価に違わぬ素晴らしい作品でした。

サスペンスとしての構造は単純。
どちらかと言えばヒューマンドラマに比重を置いている印象でした。

極寒の地を逃げる様に疾走する少女の姿。不穏な雰囲気と共に始まるアバンタイトルはサスペンスとして上々の立ち上がり。ただ、通常のサスペンスでは終わらないのが今作。

1人の少女の遺体から浮かび上がるのは、アメリカの国家に根強く残る巨大な闇である。「何故少女は死ななければならなかったのか?」という疑問に劇中でレナー扮するコリーランバートが「理由を知りたいか?俺もだ。」と答えるシーンがある様に多分明確な答えは無いんだと思います。

全体的に静的ではあるんですが、突発的に起こるスリリングな展開のおかげで最後まで緊張感が途切れることなく見れました。
終始重苦しい内容ではありますが、ラストシーンにほんの僅かですが救いがあるのもよかった。

『最後の追跡』も観ないと…