ソラアユム

ゴーストバスターズ/フローズン・サマーのソラアユムのレビュー・感想・評価

3.6
題名:ゴーストバスターズ/フローズン・サマー
鑑賞日時:2024年4月7日
鑑賞方式:MOVIX川口
評価:3.6(MAX5.0)

『恐怖の冷気が世界を凍らせる。』


□2024年60本目(劇場鑑賞15本目)

□ゴーストバスターズシリーズ最新作

氷の悪神ガラッカの覚醒、家族内のイザコザに加え、バスターズの元隊員の集結にガラッカと因縁のある一族の末裔の存在など、作品を構成する要素の乱立と解決すべき項目の多さが足を引っ張ってすべてが噛み合わないまま終わってしまう。誰が見ても明らかな今作の敗因は上述した通りに要素の大大渋滞に尽きる。

旧シリーズファンへの目配せや、ゴーストバスターズとは異なるルーツを持つ幽霊退治屋の存在など、ファンサービスや世界観の拡張は大いに結構だとは思うだけれど、その新要素が原因で、屋台骨となるスペングラー家内の話に割く時間が圧迫されては元も子もないよねって話。

そういった新要素のなかでも光るものはあった。エロディとフィービーのエピソードだ。エロディは現世に心残りがあり成仏できずにいる彷徨える幽霊だ。幽霊退治屋と幽霊の儚き友情物語がガラッカ復活への布石となるのは見事な作劇だと言える。そのロジックもしっかり筋は通っているし、まさかの展開で面白かった。このように要素単体はそれほど悪くもないから、一作品に何を採用するかの取捨選択は必要だった。

要素の渋滞具合だけでなく、物語全体の出来としても看過できない所は多い。特にこの一件で生じた被害の責任はどう釈明しようと、主人公のフィービーにあるわけで。結末を見ていると、ゴーストバスターズの存続を脅かす存在である市長の言い分に同情してしまう。ニューヨーク市民たちもバスターズを褒め称えて喜んでいる場合ではない。

□まとめ
次回作はもう少しコンパクトに要素を纏めて描いて頂きたい。なんならスペングラー家に限定した話だけで充分よ。


以上