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イレブン・ミニッツのleylaのレビュー・感想・評価

イレブン・ミニッツ(2015年製作の映画)
3.9
ラストのカタルシスのためだけに!の熱量。78歳のイエジー・スコリモフスキ監督のチャレンジ精神を感じる作品。観る人に媚びてない姿勢と、遊び心のある撮り方が好き。細切れで説明がなくわかりづらいけど、だんだん見慣れてくる。スコアは低いけど個人的には好きな作品だった。

午後5時〜5時11分までの11分間、複数の人々を断片的に映す。

登場人物は、映画監督と女優と女優の夫、ホットドック屋の主人、バイク便の男、救急隊員、犬を連れた女性、青年と画家など…

群像劇のようで、そうでもない。繋がっているようで、そうでもない。不思議な作品。

神の啓示のような黒いシミに、監督はもはや神の視点に立っているのかも…なんて思ってしまう。

カメラワークを楽しみながらラストまで観るのがオススメ。スマホ撮影、監視カメラ、極端なあおりカット、壁のシミの逆回し、超スローモーション、犬目線のカット、モザイクがつながっていくラストカットなど、飽きません。どのカットも不穏で劇伴がさらに不安を煽る。

カメラによる監視社会の現代を切り取りったようにも思えました。テロや戦争、爆弾、事故など、実際、誰にも11分後は何が起きるかわからない。


✴︎カルダモンさん、ありがとうございました✴︎
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