カイ

イレブン・ミニッツのカイのネタバレレビュー・内容・結末

イレブン・ミニッツ(2015年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

大きな事故があった。ピタゴラスイッチ的に惨事は起きたが、そこに関わった人にはそれぞれの時間があった。11分。音楽においても、映画においても、クライマックスが必要で、だから最後はあの結末しかありえない。「クラッシュ」に慟哭の時間は残されていたが、今作にはそれはない。代わりに残ったのは単なる結果である。「クラッシュ」の方がドラマとしては優れているが、現実的なのはこちらであろう。あらゆる事象の結果に確固たる原因など存在しえない。人の生を再現してみせなくても、たった11分でその人を想像することはできる。余白があるからこそ、そこを人は補うことができる。馬鹿みたいな事でも、人は死ぬ。そして、それを見ている者には共感などできない。モザイクの1ドットに過ぎないから。自分の人生にとって記憶する価値もない人の死
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