kuma114514

ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜のkuma114514のネタバレレビュー・内容・結末

2.0

このレビューはネタバレを含みます

3/16 SMT特別試写会にて鑑賞

正直 神山監督はダメかもしれないと思ってしまった残念な映画だった

冒頭 ディストピア的な世界観で人間の労働は管理され 渋滞によって遅刻が当たり前 そのせいで日当はろくにもらえず
規則を守れなければそれも没収されたり
タブレット端末が魔法の道具だとか
この辺はまだ
こういうブラックな世界観が意味のあるお話なのかな?という期待はあったのだ
だがそんな期待は最後まで見たら砕け散った
最後までみるとこのへんのくだりは本作のテーマには必要ないからだ

夢の世界で起きることが現実に侵食してくるという発想自体は悪くなかったと思う
だが、その二つがリンクする過程があまりに雑
終盤はもはや夢も現実もないというごちゃ混ぜ進行
しかも序盤から夢の中でいろいろ見せすぎていて 
現実でのココネの両親のこと ヒゲ男のこと タブレットのこと などなど
謎が謎になっていない ここまで最初から提示しちゃってると驚きもなく、話を牽引するにはあまりに弱すぎる
そのうえ1シーン1シーンに妙な間を出していて
それが重なり物語全体がとにかく間延びしているように感じられる
監督と演出は何か意図があってこういう風にしたのだろうか?
正直眠くなって仕方ないですよ まさか観ているこちらを寝かせるのが狙い?
おまけに話が緊迫していく展開になっても演出が平坦すぎるのと 人物が方言を喋るせいで眠くなることに拍車をかけている

話の核である
自動運転技術のことにしても
オリンピックのことと無理矢理くっつけるためにでっち上げた設定なのが透けて見える
恐らく企画の段階で2020年オリンピックのことは入れることが決まっていて
それとなんとか結びつける設定を考えたのだろう
娘が生前に開発した技術がないとだめな事業を社運をかけてやるのもなんだそりゃと思うが
じいさんが娘の弔いのためだとか理由あるならそのへんのこともしっかりやってくれないと観てるこっちは俯瞰してみるしかないじゃないですか
あと劇中でココネ母が亡くなった原因がなんだったのかを詳しく語られてはいないのですが
最後の方の映像から察するに
自動運転のテストで車に乗って事故死したってところでしょうか
それだと祖父は尚更自動運転技術に対して懐疑的であるだろうし
子供を亡くした原因であるのだから恨みや嫌悪があるはずなのにそのへんも達観してしまってる
ココネ父にしても忌むべきものとしてなく
その技術で町の人の車を改造してたりしている
どういうこっちゃいな

そもそも最後のシーンからすると この作品やりたかったことって
親子愛 祖父も入れて 家族愛 といったところかと思うんですけど
それにしてはあまりに主人公ココネが成り行き任せにあっちいったりこっちいったりしすぎで家族との繋がり的なことはぜんぜん描けてない
公式でもロードムービーとは言ってはいるんですけど ロードムービーなら行く先々でココネが何かを感じ、成長する物語であってこそだと思うんですよ
それがこの話 ハイテク自動運転で飛ばされはするけどそこでしか得られない体験で成長するとか そういうことはない
最終的に 親と子の絆が深くなるという話になるなら あのラストでも全然いいとおもうんですよ
ですが ココネと父親の関係は序盤から大きく変化することもなく
ココネが母親のことを知り 涙を流すのは 夢の中でのあのことでのみ
夢のなかでそうするなら わざわざキャラを遠くにやる必要ないだろ
父親と母親の関係性に至ってはエンディングロールでセリフなしで描写
あれを見て こっちを中心にやらんのかい!とツッコミを入れてしまいました
親のことちゃんとやらんとだめだろ こういうテーマなら

画に関しては特別すごいところはあまりありませんでした
今のアニメ映画ならこれぐらいの水準ならそこまで珍しくもありません
気になったのは 飛んでるバイクで橋を通り過ぎるところ
橋の3DCGは雑でしたね やはりこういうのはまだまだ和製アニメは発展途上だと思いました
ロボのほうはそれなりに観れるレベルではありましたけどね

音周りはロボが空飛ぶところのエンジン音がジェットエンジン生音?ってぐらい轟音鳴らしてて変なところ凝ってるな とは思いました
音楽は下村陽子さんだけあってこれは悪くなかったです
声優は思ったよりは気にならなかったかな
最初は高畑充希ヘッタクソだなぁとは思ってましたがまぁ慣れます
意外にも江口洋介は違和感なかったです 意外と声優やれるじゃないですか
エンディングに「デイ・ドリーム・ビリーバー」使ったのは良くないと思った
あれセブンイレブンのCMで有名じゃないですか(笑)
せっかく父親と母親の出会いとか結婚したとかの重要場面流してるのに コマーシャル感すごい


・まとめ
設定はゴチャゴチャしてるせいで話に纏まりはない
テーマにたいして必要なことが描けてない 又余計なところが多すぎる
演出が間延びしていてとにかくタルい
キャラクターも魅力に乏しい
音楽はよかった(エンディング以外)

普通にダメな映画だと思う 神山さんは原作付きでなんかやるだけにしといたほうがいいのではないでしょうか
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