RIO

田園に死すのRIOのレビュー・感想・評価

田園に死す(1974年製作の映画)
5.0
駆け落ち

駅で待ち合わせてから
線路の上を歩いていく
グリーンの風景が幻想的

サーカスの色彩はぶっ飛んでるなぁ
感覚も意識もことごとく
吹き飛ばされる

時計の蓋を閉めると道化師たちは姿を消す
紐で縛られている家の柱時計

何かが道をやってくる

「もしも過去に戻って三代前の祖母を殺せば
現在の自分はいなくなると思うか」の答えを探す
―― 黒いカラス

二十年前の少年時代の自分に会う
少年に自分達の母を殺すように言いつけ
縄と鉞を取りにいかせる
一人の男が汽車に乗るために

階段の踊り場に立つ少年の自分から
ネガフィルムを手で払ってのショットは…‼‼
言葉にならない程持っていかれる
真っ赤なショールで女が踊るシーンもカッコいい
得体の知れない奇怪な微笑
禁断の映像が官能的に
あの世とこの世を行き来する
すっごい世界でした
夢を見ている間に目が覚めると
精神的に傷がつく
観た後は全力を使い切った

少年の私には殺せなかった母親を
現在の私は自分で母を殺すために家に戻る
ラストはどっかーんときました

音楽も普段聴かない曲ばかりで
誘ってきてノスタルジーな感じ
奇抜な映像なのにセリフが普通で面白さを満喫する

大きなハンマー
自分はただ一人で黙って飛び立てばいい
自由な空気を吸って

「5日前になくした銀貨と
 今日見つけた銀貨は同じじゃない」
   ―― ホルヘ・ルイス・ボルヘス
という劇中の言葉も電流

ちなみにノーラン監督は
このボルヘスの「伝奇集」に
インスパイアされて「インセプション」
を撮ったんですよね

なんか凄い感度が上がる気がする!
久し振りのヤバイ感覚かも

分からないものに
触れ続けることでいつか
分かるようになるかもね
読書と一緒
*25
RIO

RIO