田園に死すの作品情報・感想・評価

「田園に死す」に投稿された感想・評価

Zuidou

Zuidouの感想・評価

4.7
本籍地、新宿区新宿字恐山。綺麗な幕引きだった。吉田大八の『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』のわざとらしい風景加工の元ネタはこれなんだろうか。インスタ映えがすごそうな原型を留めてないレベルでの色彩の暴力がかっこよかった。東北訛りは聞きようによってはちょっとフランス語みたいで面白い。つまるところ「私」が自らの過去というブラックジョークを何とか笑おうと苦心する話だったように自分には見えた。
nknskoki

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4.3
インパクトのある映像やおどろおどろしい雰囲気そして言霊がもういかにも寺山修司ワールド
勘違いされがちだけど、芸術ってのはキレイなものであってはいけないよね
これぞ芸術!
記録しておきたい引用文が思いのほか長かったのでレビューはこれだけ!
百聞は一見に如かずということで😎

「僕は色んな意味で行き詰まっていましてね。自分の子供時代を扱って書いてきたつもりの詩も、実際には子供時代を売りに出してしまったという感じになってしまった。風土でもそうなんだけど、書くと書いた分だけ失う事になる。書くつもりで対象化した途端に自分も風景もみんな厚化粧した偽者になってしまうんだ。」

「しかしそうする事によって自分の子供時代や風土から自由になるって事もあるからね。まぁ大体過ぎ去った事は虚構だと思えばいいんだよ。全部。」

「しかしそれを書かずにしまっておけば自分の核になったかもしれない。先生は原体験が現在を支えているとお考えになったことはありませんか?」

「ないね…むしろそれは首輪みたいなものだよ。人間は記憶から解放されない限り本当に自由になる事はできないんだよ。ボルヘスは言ってるじゃないか。5日前に無くした銀貨と今日見つけたその銀貨とは同じじゃないって。ましてやその銀貨が一昨日も昨日も存在し続けたと考えることなんてどうしてできるんだい?」

「僕は長い間、夢という事を考えていたんです。
例えば、夜寝て見る夢は夢の中の自分にとっては現実だった。夢の中の労働は夢の中の自分にとっては現実だったと。だから本当に夢を守ろうとすればできるだけ寝ないでいないといけないかもしれない。」
Guy

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3.8
そうそう子供の頃に思い描いてた地獄の世界ってまさにこんな感じ。。
70年台かぁ。70年代だよなぁ。
ちょいと怖すぎるなぁ。それも心理的でも物理的でもなくてもっと違うベクトルの日本独特の怖さ。
前半の感じでずっと訳のわからない狂気の世界を見せられるのかと思ったらちゃんと物語になってて、ただの実験映画じゃないなぁなんて感心しつつ、やっぱり怖すぎると震え上がりつつ。
内容も朗読される詩も映像も音楽もイカれておりますわな笑
嫌いな人は本当に嫌いだろうなぁ。
不愉快を煮詰めて凝縮したみたいな世界観。
シュールレアリズムは好きな方なんだと愚かしい自負をしてたわけなんですけど流石にフルで見直せって言われたらきついものがあるなぁ。
結局まだ狂った一頁も最後まで見れてないし。
ちょっと修行しなおします。
頭が小学生なので「ヤベー!」「スゲー!」としか言えないけど凄い。

このレビューはネタバレを含みます

衝撃のシーンの連続。
泥臭い芸術性にまみれた怒涛のような映画。

冒頭。故障により鳴り止まなくなってしまった壁掛け時計を、直せばいいのに村の慣習を優先して直さない主人公の母。
絶えず鳴り続ける時計は、ノイローゼになりそうな田舎の息苦しさを象徴している。
利便性を犠牲にしても習慣を優先させる。

時計に関して印象的なのは、「家の時計は壊れている」という主人公に対して、「これがこの家の時間なんだ」という母親の答え。
これが非常に恐ろしい。
外から見てどんなに狂った慣習でも、その内側にいれば守らざるを得ないんだろう。
特に田舎は。

村人の顔が白塗りにされているのは、後述の「厚化粧」の暗喩と取るのが自然なんだろうけど、集団の中で個を殺して生きる村人の、愚かさや恐ろしさも現しているような気がする。

前半は、そうした窒息しそうな田舎の息苦しさとの中で、死んだ父親とのお話が趣味の暗すぎる主人公と、その主人公を溺愛する母親の暮らしを描写される。

後半は、実は前半は映画で、主人公は続きの作成に悩むという展開。
この悩む理由に度肝抜かれました。

過去を作品にしようとした瞬間、過去は厚化粧した歪な存在となり、元々あった過去は無くなってしまうと。

成る程…。
衝撃的ですが、心底共感出来る。

いかに自然体でいようとしても、外に向けて発信しようとした瞬間に人目を意識して過去を装飾してしまう。
一度装飾すると、元の過去は消えて無くなる。

また、言語化という壁もある。
人間は、自分の理解力の限界以上に理解は出来ないし、表現力の限界以上の表現は出来ない。
例えば自分の過去を「美しい」と表現した瞬間に、その過去は「美しい」という言語の枠に収められて、その枠の中で表現されない要素は消失してしまう。逆に「醜い」と表現しても同じ事だし、どれだけ事細かに描写してもそれは同じ。
物事の本質は、私の表現力なんかより遥かに複雑で奥深いはずだが(恐らく、寺山修司の表現力をもってしても)、表現による厚化粧を施さなければ他人には伝えられない。
恐ろしいジレンマである。

随所に入る短歌もいい。
特に好きなのが、
「見るために両瞼を深く裂かむとす剃刀 の刃に地平を移し」
観察への狂気的情念がひしひしと伝わってくる。
他の短歌もだけど、何処か俳句っぽい。
モノを詠むというか。

この後、主人公は過去の自分を殺しにゆく衝撃展開。

あとはもう…。
川下り雛人形、田園将棋、セックス長回し、ハリボテ田舎という伝説シーンの連続。
ラスト、「所詮これは映画なのだ」「創作の中でさえ母を殺せない私は一体何者なのか」。

凄い。

芸術、表現、郷愁、自由、過去…。
こうしたテーマの答えを提示するでも問いかけるでもなく、ただ深い所を揺さぶる映画。
spitboys

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4.0
息をつく間もない怒涛の映像の連続。描写描写が非常に印象的な構図ばかりで、まさに脳内のイメージをそのまま見せられているようです。 映画でしかなし得ない圧巻の表現で親を捨てる、子を流す、などの日本的な、いわば「ムラ」的な暗さを持ったテーマを極端にデフォルメして描いた怪作。J.A.シーザーの音楽も仰々しくて良いです。
いろいろ思うことはあるのですが、
野性爆弾のクッキーがチラついた
なんて言ったら怒りますか、、、?
四日間分くらいの夢を一気に見たような気分。
にしてもあんな童貞の喪失の仕方は多分かなりトラウマになる。
momo

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4.2
改めてちゃんと観たらすごかったー、2時間にも満たないのにたっぷりだった

けどもっとちゃんと分かるようになりたいなー
り

りの感想・評価

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かなりホドロフスキー感あった ラスト、ホーリーマウンテンと似てる
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