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田園に死すのakubiのレビュー・感想・評価

田園に死す(1974年製作の映画)
4.0
とうちゃんは思い出を刻んだぼんぼん時計のなか。赤い薔薇に導かれて 浜辺でさびしい霊が踊るのをみた。
過去のじぶんと対峙することは虚構であるから、現実(と思っている今)そのものだって虚構でありえると、そんなふうに思わないかい??
虚構と現実のあわいをたゆたう ひと はなんと儚いことか。子どものまま大人になってしまった君(わたしたち)。"母" という存在は身勝手で孤独なひとのつくった、虚構なんだよ。見世物にされて、わたしたちはわたしたちの虚構の 時 を覗く。

美しくて哀しくて可笑しくてダサくて、だいすきだ(すごく消耗するけれど)。過去にもどったら、わたしはあのころの母をだきしめる。だいじょうぶだよと、囁いて。
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