白豚

田園に死すの白豚のネタバレレビュー・内容・結末

田園に死す(1974年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

なんかよくわからないけどよかった。ずっと悪夢みたいだった。過去は自分だけのものだし、そうすることで楽になれるなら好きなだけ都合のいいように美化していいと思う。そもそも本物の過去なんてものはなくてそれぞれの過去の解釈があるだけだと思うので。でも現状は過去の積み重ねでできてて現状からは逃げられないので難しい(たぶんそういう話ではない)
過去を大事にとっておきたい気持ちはちょっとわかる。でも美化して掘り起こしてきたら虚構になってしまうからとかじゃなくて、もう過去の解釈がそれ以上動かせなくなりそうだから嫌だ。ふわっとしたまま取っておけばその時々で都合のいいように解釈できる。あの女性にとって神の前で村の少年を犯すことが信仰を重んじる村への最大の復讐だったんだろうな、強烈だった...。旅人として訪れる田舎は広大で美しいけど、そこに縁もゆかりもある者にとって田舎は狭くて息苦しい。土地は広いのに行き場がない。田舎からは抜け出せない。物理的に抜け出せたとしても田舎者であることからは逃げられない。過去も家族も今の自分も全部そこにある。どこにいっても田舎に縛られる。あと恐山行きたい。でも怖すぎるのでゴリゴリに観光地化されててほしい。
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