このレビューはネタバレを含みます
浅野忠信、闇を抱えた人間を演じきる。
未レビュー"私の男"でも静かだがヤバめの人物を演じていたが、どちらもぎこちなさの演出が上手い。
この人なんか変…??って思わせる演技。
観ていて、'嫌な予感'のような緊張感が続く。これから何かが起こることを終始感じさせる。メトロノーム、赤色、オルガン、全てに不穏さを感じてしまう。
その緊張をギリギリまで高めたところでプツンと切られた。
普通だったはずの一家が崩れるのは案外早い。壊されるのは一番弱いところから。
日常が壊れる怖さって、ささいなキッカケでどこにでも潜んでいる気がする。
運が悪いとぐんぐん望まない方向へ進んでしまって、残された人々は見えない何かに囚われ続け、壊れ続けてしまう。
観ている側を暗い方へ引き込んで離さない魅力がある作品でした。