籠

野良犬の籠のレビュー・感想・評価

野良犬(1973年製作の映画)
3.9
退屈で途中で再生を止めたままのオリジナルバージョンの記憶が誰も取り上げない今作の70年時代の色彩と佐藤勝のジャズによって上書きされた。体制側の犬を描く森崎東が主役とは相性が悪いままだったのでは?と思える節は別にして小島よしお似の無名な集団とゲスト的に登場する各方面からの常連含めた名優陣とのコントラストによりシュールな作風をより際立たせていた。同時代の須川栄三「野獣狩り」の有楽町とここでの新宿のシーンは永久に記憶に残るものとなった。川崎から新宿に行く京急バスは当時はあったのか?今もあれば乗ってみたくなる。
佐藤勝と沖縄といえば他に岡本喜八「激動の昭和史 沖縄決戦」と福田純「ゴジラ対メカゴジラ」があり、それぞれ70年代を代表する3作だと改めて認識した。メカゴジラにも客船さんふらわーが登場するがここでは沖縄定期航路船として私の知らない新さくら丸が出てきて混乱したが煙突のロゴデザインが全く違った。
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