籠さんの映画レビュー・感想・評価

籠

いとみち(2020年製作の映画)

4.1

地域の状況、実態は不詳だが青森2020をこのように描く製作陣の思惑を案じながら監督の過去作品に思い入れのない私は津軽弁の聴き取りに集中しながら観ていたが予備知識のなかった柳島克己の見事なカメラワークの>>続きを読む

日本の青春(1968年製作の映画)

4.3

低画質で録画して、見て高画質にしなかったことを後悔してから10年を経てようやく映画館で観た。
キネマ旬報1968年7位
大森とかがいる現在の7位とは比較にならない順位なのに小林正樹の中では何故か埋もれ
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1秒先の彼女(2020年製作の映画)

3.7

リズムが走る人とモタる人が組んだらうまくいくなんて話は聞いたことがないからようやく出会った2人のこれからはもっと大変だ。静止してからのリズムには今日はついていけず日本でうまいことリメイクしてもらいたい>>続きを読む

Arc アーク(2021年製作の映画)

3.9

アークといえば「失われた」(聖櫃)を即座に連想してしまうが、ここでは失わないが為に結局失ってしまうものを描いていた。これまで難易度の高い原作の国内での映像化に成功してきた石川慶だが今回は前半ではエンバ>>続きを読む

Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

3.8

「ジョン・ウィック」の脚本家と「ハードコア」の監督ではどちらもどうでもよかった私なので全く期待しないで観たが、強すぎる普通の人設定のリーアム・ニーソンに飽きてしまっているので今まで記憶に残ったことがな>>続きを読む

くれなずめ(2021年製作の映画)

2.0

しがらみ学園の都合でツイッターでは題名を伏せた…

レイト復活して期限の近い券の都合で観たが今まで面白いと思ったことがない監督とはやはり相性が悪く、気持ち悪いとしか思えないカメラワークにムカムカしてア
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クワイエット・プレイス 破られた沈黙(2021年製作の映画)

4.0

詳細をすっかり忘れてパート2を観た。見事なカメラワークと痛みが同時に進行し今回はボビー・ダーリンの選曲(前作ではニール・ヤング)も効果的で最後には感動までさせられる。続編だけで言うと猿の惑星的かと思っ>>続きを読む

ふゆうするさかいめ(2020年製作の映画)

3.8

北区界隈の雰囲気がノスタルジックでいつ伊藤克信が出てくるのか?と妄想してしまうあの頃の時代の空気を感じさせられ懸念した眠気を促進する話ではなく楽しく観れる自分がいてよかった。渋谷と都電荒川線といえば「>>続きを読む

ストップ・メイキング・センス(1984年製作の映画)

4.5

映画館では37年前の心斎橋パルコ以来だったがやはり今も色褪せないどころか映画監督によるライブ映画の最高峰と断言しておく。デイヴィッド・バーンの際立つアクションには必ずバーニー・ウォーレルの素晴らしいソ>>続きを読む

ファーザー(2020年製作の映画)

4.0

題名からはジョン・カーペンターの「パラダイム」での叫びを、2人のオリヴィアからはルイス・ブニュエルの「欲望のあいまいな対象」を思い起こしながら観ていたが、こんな適当な記憶が突然出てくるようになった最早>>続きを読む

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

3.8

観た翌日になっても簡単に記すことが出来ないでいた。デイヴィッド・バーンは変革し続けるから私が望んだスタイルは既にここにはなかった。ブライアン・イーノとダニエル・ロパティンが名を連ねる近年の名作ソロアル>>続きを読む

アメイジング・グレイス アレサ・フランクリン(2018年製作の映画)

3.9

日本に来ることなくあの世へ逝きライブを観れずじまいだったアレサ・フランクリン。1970年代初頭なのでバーナード・パーディー等の大好きなミュージシャンの演奏シーンへの過度の期待はしないで観たが当人が歌う>>続きを読む

Mank/マンク(2020年製作の映画)

3.8

ようやく近所で公開された。
「市民ケーン」誕生にまつわる様々なエピソードとその周辺の登場人物に興味が持てる歴史を振り返りたくなる作りは全てが実話かと思わせられる妙味があったが生真面目過ぎてシナリオ完成
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狼をさがして(2020年製作の映画)

3.8

来週から遠距離通勤が始まるので観る作品を厳選しないといけなかったが、結局年間利用がそんなにないのに今回も会員証の更新をお布施代わりにしてしまい気になる作品を観た。
「きみが死んだあとで」の時代よりも数
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ビーチ・バム まじめに不真面目(2019年製作の映画)

3.7

下品なビーチク映画かー、そういえばこの監督の前作は好きでも何でもなかったよなとか、自分が手を出さないストライクゾーンの選曲だなとか思いながら観ていると驚愕の花火にめぐりあう。花火含めてお金をかけて製作>>続きを読む

イップ・マン 完結(2019年製作の映画)

3.9

晩年でも闘う理由があったとは知らなかった。シリーズの完結編が良作なのは珍しい。今日は朝は「おちょやん」で夜はこれで2回も泣いた。泣ける打撃はどんなジャンルでも素晴らしい。今回は泣きながらもマイク・マイ>>続きを読む

イップ・マン 継承(2015年製作の映画)

3.8

2017年の公開時に観ていたことを忘れていてマイク・タイソンの名前で思い出す。

物凄いアクションと共に愛が描かれていてケチはつけたくない内容だがバランスは悪い。とはいえ身近な人への愛情含めて生き方に
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きみが死んだあとで(2021年製作の映画)

3.8

小林克也の80歳記念ライブがありZepp羽田まで蒲田からダッシュでチャリンコを漕いで弁天橋を通過したり、ジャックスの1969年の未発表ライブCDを聴いたばかりだとますますこの時代への興味が尽きない。単>>続きを読む

約束の宇宙(そら)(2019年製作の映画)

3.8

「ノマドランド」よりもこれを観ることを優先するのは自分でも何故だかよくわからないがとにかくママの味がするかどうかだ。

宇宙を目指す過程をひたすら丁寧に描いている。SF的要素が皆無なのが珍しく関係者に
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パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

3.6

加藤和彦による逆回転を用いたヒット曲が映画では繰り返しループとなった大島渚「帰って来たヨッパライ」はこの手法のそれ以前の存在は未確認だがこれ以降はディヴィッド・ボウイの息子の作品を含めて誰かが忘れた頃>>続きを読む

21ブリッジ(2019年製作の映画)

3.7

邦題を複数なのに単数にしてしまう頭の悪さでは橋を封鎖しても脱出劇ではないから服を着せたままのギリギリ体型の主役に頼るしかないから配給業は大変だ。見た目の骨太さでの迫力は「相棒」以降のテレ朝映画と伯仲し>>続きを読む

街の上で(2019年製作の映画)

3.9

「his」にマタギ役で出ていた鈴木慶一の、はちみつぱい時代の「塀の上で」という好きな曲が浮かび聴き直すと歌詞を初めて深く読み込む機会となった。駅の改札付近が大きく変わろうとしている時期の下北沢の街に残>>続きを読む

ザ・スイッチ(2020年製作の映画)

3.8

入れ替わりの妙な感じをそれぞれが魅せてくれた。ヴィンス'アンチョビ'ヴォーンの仕草が期待通りサイコーでした。このネタで「転校生」を超えることは誰がやっても難しいが古典的ホラーに現代の多様性をテキトー加>>続きを読む

騙し絵の牙(2021年製作の映画)

4.1

観たい作品に何故かよく出ているのにほとんど興味がない主役だが意外と外れ作品がない。「女神の見えざる手」的な日本映画が出来たことを素直に喜びたい。自分が小学生〜高校生まで漫画からあらゆるジャンルの本の立>>続きを読む

きまじめ楽隊のぼんやり戦争(2020年製作の映画)

4.0

数年前にTIFFで観た「うろんなところ」以来で池田暁監督作品を観た。
「うろんなところ」で印象深かった反復(小津)と怪奇(水木)が次はこうなった。
9to5での戦争、不条理と反復から想起されるのは、長
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ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

3.7

「サンセット大通り」みたいに始まるので話の流れは大体想像ついていたが漂う雰囲気の違和感を解消できず巷の高評価?にまず驚く。前作で感じた巧さを全く感じないまま現代編になりスターサンズらしいやりたかったこ>>続きを読む

水を抱く女(2020年製作の映画)

4.2

今年ようやく外国映画の新作を観た。

「東ベルリンから来た女」
「あの日のように抱きしめて」
「未来を乗り換えた男」
ずっとハズレの無い
クリスティアン・ペッツォルトの新作

近年で4連勝した映画監督
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.1

1回目 3.9

コロナ禍前の近年の東京が正しく映し出されロマンチックでなくバトルも高橋ひとみの見事なビンタ一発のみだが自転車の2ケツやタリバツシーン、水原希子と山下リオのやり取りでの現実ではなかなか
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ある殺人、落葉のころに(2019年製作の映画)

3.8

前作がお気に入りで、そういえば次作は?とずっと思っていたのだが待望の新作がユーロスペースで上映していて上映終了前に仕事が早く終わりどうにか間に合った。肉体労働後に時間を割いて観るにはしんどい文体で全貌>>続きを読む

すばらしき世界(2021年製作の映画)

3.9

どんな職業であっても、お金が無い時に他人に頼る事が難しい昨今で、芸達者によるヤクザが善人達に出会うお伽話に従来の任侠的展開をどう加味されるかに注目したが任侠的自分らしさを失う場合の代償を現代の闇と共に>>続きを読む

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.8

イヤホン共有といえば「はじまりのうた」に名シーンがあるが片耳同士での違和感を諭す岡部たかしを筆頭に矢継ぎ早な絶妙ショートリリーフ満載で劇伴演奏者も納得の顔触れが揃っていた。リバーサイド恋愛映画としては>>続きを読む

ヒッチャー ニューマスター版(1986年製作の映画)

4.2

ルトガー・ハウアーということで筋は読めていたつもりだったが、ここまで殺るとは!いやな雨に始まるすがすがしさのカケラもない映画ながら、死んでいく殺人鬼がやけに愛しい。

以上は22歳の時にリュミエールに
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旅立つ息子へ(2020年製作の映画)

3.7

前半は見ていてしんどく私の知り合い数人が見せない苦労や苦悩を垣間見る。彼らは私より数倍優秀で努力家なので地位もある。幸せとは?いろいろ考えさせられる。しかもこの父親は私に近い何かがあるから更に複雑な気>>続きを読む

哀愁しんでれら(2021年製作の映画)

3.8

若手監督の意欲作としてラストまで凄いことをやっていて素晴らしいのだが、後半のモヤモヤ感にダメ出しする「これで世界を獲るつもりだった」プロデューサーはいなかったのだろうか?しっかりとしたストーリー展開に>>続きを読む

AWAKE(2019年製作の映画)

4.2

しばらくは+0.2

★★の酷評にある
自分の持っている知識を疑うような自己言及性とは一体何なのか?
この人が低評価だと「フード・ラック!食運」同様に俄然燃えてくる。
しかし、この作品のような勝負事に
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ミッドナイト・スカイ(2020年製作の映画)

4.2

(しばらくは+0.2)

映画館鑑賞に間に合う。
ジョージ・クルーニーは「渚にて」の引用に相応しい地味な終末感を実際は様々な角度から映画館向きに仕上げていた。それを見事に支えていたのは地上の2人と宇宙
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