海を渡る祭礼のリメイク版といわれる“群盗南蛮船 ぎやまんの宿”を鑑賞したが、フィルマークス内に項目がないためここに記録。
キャラクター的に尾上松緑の浪人が主人公だと思ってたら、尾上梅幸のニヒルめの色男が主人公だった。(王道的な物語なら、ラスト近くで尾上松緑が表返って二人で敵を成敗するだろう)ラストまでどちらに感情移入して観ていいのかわからなかった不思議な作品。踊りの音楽が時代劇らしくなくて面白い。型にはまった戦後の勧善懲悪娯楽時代劇もいいけど、ひとつひとつの個性が光る戦前時代劇の楽しさを思い起こさせてくれる戦後時代劇。大川橋蔵がいてる。

フィルムセンターにて。現存するプリントは、92分のうちの24分。風見鶏。港町。旅芸人たち。ぞくぞくする。始まりの部分だろうか。41年製作。戦時下とはいえ、まだ完全版に近いプリント発見の可能性は捨てきれない。