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日蓮と蒙古大襲来のmitakosamaのレビュー・感想・評価

日蓮と蒙古大襲来(1958年製作の映画)
3.5
デアゴスティーニで初鑑賞。
調べたら大映黄金期のワンマン社長永田雅一が熱心な日蓮宗教徒だったんだね。
それ故に超大作として作られた。豪華キャスト、豪華セット、豪華ロケ。流石は「映画は大映」ですわ。
日蓮に長谷川一夫、北条時宗に市川雷蔵、他に勝新太郎や淡島千景、田崎潤、チョイ役で志村喬なんかもいる。贅沢ぅ。長谷川一夫の実子の竜巻さんこと林成年との親子共演もあるじゃん。
しかし、プロデューサーが熱心な日蓮宗信者だってこともあるが客観性に乏しいのは致し方ないかしら。もう浄土宗なんか完全に悪だもんね(笑)
たぶん今だったらこういう映画は作れないだろうな、と思う。それは予算やスタァの不在などというレベルの話しもあるが、作風もそう。
長谷川一夫の日蓮が辻で説法をするのだが、その描写がとっても威丈高なんだよね。説法というか、街頭演説だよ。
今、歴史的偉人、ましてや坊さんを表現する際には、このような父性的高圧さはしないと思われる。これは製作時代もあるし永田氏の信仰の深さもあるでしょう。
長谷川一夫はもう安定した演技だね。ズドーンと居座る感じは日蓮の描写に買ってる。
あとは市川雷蔵の格好よさよ。他の俳優と比べてもオーラ的なのが抜きん出てるわ。
2時間強あるけど、タイトルの猛虎大襲来、元寇はラスト30分の怒涛の展開。前半から中盤は日蓮が迫害に戦う展開だね。
やっぱり描きたかったのは日蓮そのものだったのかな?
それでも元寇のシーンは凄い。どんだけのエキストラ使ったんだか。

特撮、の括りにも扱われるけど、ジャンルのない、映画というジャンルの偉大な映画とでも言うべきでしょうか。
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