このレビューはネタバレを含みます
アカデミー賞 作品賞にノミネートされたことも納得の作品。
まさに現代の西部劇ともいえる渋い雰囲気が堪らなかった。
追う側と追われる側にそれぞれ焦点を当てたストーリー展開で、どちらにも感情移入出来るようになっているのが作品の面白さを引き上げていた。
【脚本】
前半の作品展開はかなりゆっくりな印象でした。
前半は兄弟の信頼関係とテキサス・レンジャーのバディ感を丁寧に描いており、
どこか作品展開としては行き当たりばったり感はあったが、その辺りの前半部分が後半の大きな展開へのフリになっているように感じた。
中盤以降の銀行からの逃走シーンから物語が加速度的に面白くなっていき、緊張感が一気に高まる。
無計画で奔放な兄が起こす行動で計画が台無しなっていき、正直全然頼りにならなかったが、
弟の為に自ら囮を買って出る様は結構グッときてしまいました。
テキサスレンジャーのバディ達の方も、最初は気持ちが通じていなかったが、徐々に気持ちが通っていく様が結構良かったです。
だからこそのハワード兄との銃撃シーンで、マーカスの相棒が射殺されてしまったシーンは結構ショックでした。
その後、マーカスはハワードを射殺しますが、このシーンも切ない。加害者側と被害者側。両方に感情移入できるので 何とも言えない気持ちになりましたね。
ラストは、これ以上ない終わり方で良かった。互いに一生悲しみを背負って生きていくという セリフの重さと、二人の関係性がまた 何とも言えなくて痺れましたね。
【配役】
とにかく主人公トビー・ハワードを演じた、クリス・パインが超カッコいい。
彼の出演作は何作品か見ていますが、間違いなく今までで一番かっこよかった。
髭がない方が若々しいですが、髭を生やすだけで、本当にワイルドになりますね。
序盤のガソリンスタンドで兄が挑発した相手を殴り倒すシーンは、かっこよすぎて痺れましたね。
他の主要キャスト達も良い演技をしていたと思います。
後はテキサスの男たちが銀行強盗に全く物怖じしない様子など、とにかく熱い男の
物語でした
日本ではNETFLIXでしか、鑑賞できないのが実に勿体ない作品ですね。
