【覚醒剤とモダニズム建築の町 コロンバス】
今作を見ると舞台になったコロンバスという町に行って見たくなる
85点
面白い作品に出会った時以上に、空気感が自分に合う作品に出会った時の方が大きな高揚感を覚える。
当然、空気感が合う時点でその作品自体に面白みを感じているのは間違いないが、「作品が面白い」と「作品の空気感が自分に合う」と感じる感覚は明確に自分の中で違う。(※違いを言語化するのは難しいが・・)
「作品内の空気感」はとても微妙なバランスでできており微妙に何かが違うと「この作品の空気感良いな」とは感じない。
そして、今作の空気感・美的センス・セリフのチョイスなど作品を構成するほぼ全ての要素が私の感性を刺激した。
万人受けする作品ではないかもだが、私は今作とても好き。
作品が始まってスグに画面構成にも監督のこだわりとセンスの良さをビンビンに感じるし、モダニズム建築を絡めてジンとケイシーの悩みを表現している演出も素晴らしい。
デビュー作ということもあり、かなり監督の感性や思い入れが反映されているのだろう。監督のセンスは私の感性にドンピシャにはまる。
穏やかだが不穏とまではいかない2人のモヤモヤした心の葛藤の様を、どこか心地よい静かな劇中の空気感に浸りながら作品内世界を堪能することができた
監督のココナダは今作がデビュー作
次回作の「After Yang(原題)」がいつ日本公開されるか分からないが非常に待ち遠しい
また、今後がとても気になる映画監督を新たに発見できて幸せである。