モミジ

ブレードランナー 2049のモミジのレビュー・感想・評価

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)
5.0
ほんとにメチャクチャ良かったです
前作はあまり刺さらなかったけどこっちは大好きです

Kというレプリカントが主人公でずっとK視点で話が進むんですけど、ブレードランナーという世界設定の奥行きが凄すぎるせいで、終始群像劇感があったのが凄く良かったです
(無知な主人公と、世界の闇を知っているデッカード、黒幕、それにシリーズファン、話が進むにつれ主人公が闇に触れていくという構図)
この群像劇感というのは、普通の映画なら世界を救ったりとかしちゃうのが定番だけど、ブレードランナーの世界は壮大すぎてただ生きていくだけで精一杯。そのせいか主人公が劇中で成し遂げられたことは生き別れの親子を再会させるという、ただそれだけのこと
壮大なスケールの中のモブ一人に焦点を当てたようなストーリーが、このなんとも言い難い独特な雰囲気を作っているんだと思います

そして、今作で最も重要なポイントは、身が引き裂かれるほどの孤独感
これはもう観たらわかります、孤独です。絶対的な孤独です、愛なんてないです。ひたすら孤独です。泣けます
愛がなければ生きていけないのに、その愛が造りもの!これ以上の悲劇は無いです。(映画としては最高です)

ブレードランナーって『アンドロイドの人権』が主題で、それは誰もが知っていると思うんですけど、個人的にシリーズを通して『レプリカントは幸せになれない』というお約束もあるように思っていて、今作のラストは「あー……やっぱりか…」と、モロにそれを感じました

あと、中盤のベッドシーン超良かった。今まで見た映画の名シーンベスト5に入ります
モミジ

モミジ