モミジ

時計じかけのオレンジのモミジのレビュー・感想・評価

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
4.2
「そもそも過度な管理体制で抑圧をするから、逸脱した行為に発展する異端分子が現れる。健全でありたいなら個々人の自由を侵害するな!」という強烈な反全体主義的考えが随所に表れていましたね
いわゆる『狂ってるのは俺じゃ無い、この世界だ。』
原作設定での舞台は、近未来でソ連の支配下に置かれたロンドンだそうなので、納得のメッセージです

前半の行き過ぎた主人公の暴力行為や、中盤の国家主導の洗脳行為、終盤の暴力性が戻った主人公を政治的道具として使う大人たち
まるごと全部が道徳的に間違っていて倫理観のカケラもないエゲツない構成です
全てがモラルから逸脱しているからこそ、キューブリックにとって表現の自由を主張できるこれ以上のない題材だったんでしょうね
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