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ブレードランナー 2049のonotoramanのネタバレレビュー・内容・結末

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

すごいものを見てしまった。今の自分の尺度ではこの作品をどう捉えればいいのかわからない。今まで考えてきた映画っていうものとは全然違いすぎて。自分の住んでる世界と地続きじゃないっていうか…。なんかそんな感じ。

楽しくないし好きでもない。ただすごい。

追記11/28
2回目の観賞。
小さめのスクリーンで見たらちょっと評価が下がった。シンゴジラでもあった現象。世界への没入度が下がって、前半とか眠かった。
でも、やっぱ圧巻のシーンは多い!テーマも新鮮だし。
以下、好きなシーン。

・オープニングの目。今回遅れて見逃した。無念…
・ジョイとのラブシーン。ホログラムだからジョイに触れられないKの手の動きがたまらない。電話かかってきて停止しちゃうのも切ないし
・やたらインタラクトって連呼させられる検査室。
・ウォレスの登場シーン。このキャラヤバいなって思った。天使とか言っちゃったり。生まれたてのレプリカント愛でて殺してキスしたり。
・Kが木馬を発見して、記憶が捏造ではなかったと知るとこ。2回目はここまで眠かった。多分このシーンまではKは命令されるままにしか行動してないからだろう。ようやくKが傍観者から主人公になる。
・記憶の創造シーン。ともかく新しい。こういう概念はあったかもだけど映像として説得力のある形では初めて見た。
・ジョイが生身の女性と一体になってKと抱き合うとこ。映像としてももちろん新しいんだけど、合間にジョイの広告のカットが入るのが切ない。ジョイはバーチャル。普通はバーチャルな異性との恋愛って背徳感とかが生まれちゃうもの(最初のラブシーンは少しそれがある)。でも、これまでのストーリーで感情移入してきた主人公のKも人工物だから、全面的にオッケーむしろ応援!ってなれるのが気持ちいい。アニメのキャラとかアイドルを好きって気持ちを完全に肯定してくれた気がした。
・そのあとの娼婦がジョイにかける言葉「あんたの奥を覗いたけど、たいした中身はなかったわ」
・ジョイが破壊されるとこ。愛してるって言葉が、プログラムだってこととか一瞬もよぎらず真実に聞こえる。この映画、ジョイがバーチャル彼女からリアル彼女になるまでの話なんじゃないかって思った。

本当にいいシーンの多い映画だった。
一方でデッカードの出てきてからの展開はあまり好きではない。前作ファンじゃないし、いるの?って思っちゃう。革命軍のとこも唐突に感じたし後半一時間が不満。
それでもアンドロイドの出産と出生っていう根元的なテーマと、バーチャル彼女ってありかなしかみたいな現代的テーマをうまく絡めて描いた本作は傑作だと思う。
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