これほど 厳しい鬼門をくぐらねばならぬリメイクも珍しいのでは…?
"ご新規様を拒絶するか"
"古参を斬り捨てるか"の二者択一
上映開始から僅か数分後には あの時に入り込んだ未来世界の さらにその先の都市へと見事にトリップできていたんだから
おそらく 監督が選んだのは前者なんだろうなぁ
かく言う未来も ただの延長線上に在らず
人物 設定 最大の謎はそのままに レプリカントの存在定義と 彼らが抱くアイデンティティは格段にアップデートされていて オリジナル公開から30年以上経過した現在の世界とのシンクロにもハラハラドキドキが止む事がなかった
闇雲に自らを発信し続け本質を掴むのも困難なほど拡散された情報の渦に飲み込まれている我々よりも 曖昧な"記憶というデータ"の集合体に真実を夢見るレプリカントの方に はるかな人間らしさを覚えてしまうのが なんと皮肉なものか…
時間の経過も忘れてしまうほどの 圧倒的な映像美と世界観に対し ストーリーは若干急ぎ過ぎに思えてしまったかな
二部作でも良かったから もっとずっと深くオチていたかった…