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ワンダーストラックのsのレビュー・感想・評価

ワンダーストラック(2017年製作の映画)
4.0
1977年、亡くなった母親のルーツを探るためひとりNYへ向かうベンという少年。一方1927年、憧れの人に会いに行くため、そして自分の居場所を探すためひとりNYへ向かうローズという少女。二人の共通点は自分の居場所が見つからず孤独を抱えていること、聾者であること、大切な何かを探すために一人でNYへ出てきたこと。この二人の物語がNYのある場所で交差。人と人との繋がりがやさしく繊細に描かれる。1977年は『キャロル』のように少し荒い映像、カラーのトーキー、1927年はモノクロサイレント。時代の雰囲気を見事に捉えここまでやるかという程再現する才能、かつての『キャロル』で口あんぐりだったけど改めてトッド・ヘインズはすごいと思う。二人の物語は交互に進行するんだけどなかなか交わる気配がなく途中寝そうになる。二人がようやく同じタイミングで辿り始めた場所が自然博物館で、ついにここからくるか〜!と思うもまだまだ進まないDavid BowieのSpace Oddityにテンション上げられるも一瞬の祭り、なかなか核心に迫らず停滞。ちなみに真実は最後の最後に明かされるんだけど、なんとなく予想していたせいかあまり気持ちが盛り上がらない。一番最高だったシーンは三人で屋上にのぼって真っ暗なNYの街を眺めるところ。ベンが秘密基地でジェイミーに教えてもらったアルファベットの手話で、聾者のローズにジェイミーのことを「F R I E N D」と紹介するシーン。屋上から見えるNYは停電で真っ暗だったけどこの瞬間私の中でNYの街の灯りが全部点いて泣いた。いつか自分に子供が生まれたら将来子供と一緒に観たい。
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