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ワンダーストラックのmidimidiのレビュー・感想・評価

ワンダーストラック(2017年製作の映画)
4.0
まだ世界にネットもスマホも無く、物理的に会うか、郵便か電話で連絡するしかなかった時代に、ひとが求める相手と出会い、つながり、居場所を得るということのかけがえのなさを描いた、美しい寓話のような物語。

ストーリーは謎解き要素はあるけれどシンプルで素直で、心にすとんと落ちてくる。
聴覚が失われた登場人物が複数出てくるので、コミュニケーションをとるためのさまざまなもどかしさや努力が描かれる。でも、そのもどかしさは、聴覚があったとしても、コミュニケーションの手段が豊富にあったとしても同じこと。ひとと理解し合うのはいつだって大変だ。

映像はワンカットごとに写真集を見るような視覚的快感があり、1927年と1977年のニューヨークに連れて行ってもらえた、って見たこともないんだけど、なんだかノスタルジックな気分になった。

終盤、ジオラマのニューヨークの上を散歩しながら物語の謎を解き明かしていくシーンは胸がしめつけられる。

レビューの評価は割れていたけど、私にとっては大好きな映画となった。映画館で観て良かった。
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