結婚詐欺の被害により無一文となったデリヘル嬢（吉沢明歩）が、うどん屋で住み込みのバイトをしながら、不器用な店主（なかみつせいじ）の人間模様に干渉していく。うどん屋界隈の悲喜交交を描いている、オーピー配給のピンク映画。別題「恋味うどん」。

S級AV女優・吉沢明歩が、ポヤポヤした天然ちゃんの役柄を熱演。"ヘンテコなレトリックでセリフを喋ると、横の人がすかさずツッコミを入れる"という、邦画特有の恥ずかしい演出が見受けられるが、中盤から抑制されるので気にならないレベルといえる。

嫁に逃げられ、娘（青山えりな）とも離縁している店主が、ヒロインに癒やしを求めていく。そして、人間関係の修復を望むヒロインが、自分の居場所を再確認しようとする。ドラマ自体は、至ってストレートな人情喜劇路線に収まっている。

コメディ要素では、白痴同然の従業員（松浦祐也）が、本屋でエロ本を音読して、内容を零さずに持ち帰ろうとするシーンが最高。後にピンク界の常連となる倖田李梨が、早くも役者スキルを発揮しているところも必見。

2006年ピンク大賞１位の作品で、なぜかFilmarksのキャスト欄には名前がないが、吉沢明歩が主演。

前半はハイテンションでギャグとサービスエロシーンが展開されるので楽しみながらもちょっと面食らうが、後半はベタな家族人情話に。吉本新喜劇を意識して書かれたというのを後で読んで、なるほどと納得。

35mm

上野オークラ劇場