このレビューはネタバレを含みます
「夢は夢だよ」
最後、遠いところを見つめる二人は、現実から抜け出し「理想」を夢見る。「夢は夢だよ」という台詞は彼ら自身が自らの行為に対する戒めなのかもしれない。
結ばれなかったからこそ、精神的な深い結びつきがある。
もし結ばれていたら、こんなにも深い愛にはならなかったのだろう。
そのいわば、「理想」の愛に酔いしれている彼らの若さは、妻との離婚に中々踏み出せないフィルの「現実」とは対照的である。
全体的に耽美で印象派ぽく、美しさの一部を切り取り継ぎ合わせたような作品。
現実、理想、美しさ、愛、若さ、ジャズ。