Shelby

カフェ・ソサエティのShelbyのレビュー・感想・評価

カフェ・ソサエティ(2016年製作の映画)
4.0
私の中でウディ・アレンの作品は当たり外れがあるようでハマらなかったらとことんハマらない。ただ、今作のカフェソサエティは好きな部類だったようで非常に満足度が高かった作品。

相変わらずのジェシーアイゼンバーグ特有、早口演技が役にぴったり。叔父のフィルとの矢継ぎ早なやり取りや、なんとかヴォニーを口説こうと焦りも含んだ会話の応酬なんかも素晴らしい。
オシャレでゴージャス。煌びやかな世界がとてつもなく眩しい。

徐々に成功を収めていくボビー。その姿は叔父のフィルに似始めているようにも捉えられる。妻を娶り幸せな人生を歩んでいるように見えた矢先、フィルとの間で取り合ったヴォニーと再会を果たし、忘れかけていた熱情が再び灯り始める。
この絶妙な気持ちの揺らぎ。手に入らぬものほど欲しくなるし、夢は夢と諦めきれず、奇しくも夢を見続けてしまうこと。思い通りにいかないことが多い。これぞ人生。

「時計を昔に戻しましょう。」
なんて、小洒落た台詞。あんなタイミングでこんなセリフを吐くなんてズルいにも程がある。

陽気なジャズと甘くてほろ苦いビターのような恋模様。いいね、最高。
Shelby

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