本国ドイツにて鑑賞。
ドイツ人自身は完全なコメディとして見ているが、中には笑える映画だと思ったのにと、あからさまに失望している人もいる。
私自身のドイツ語が完璧では無いため、聞き逃した部分も多いとは思うが、この映画コメディなのだろうか。
トリックスター的な父親は、まだ人間的な感情の残る世界から来て、ドイツ的資本主義の中でせっせと東欧の搾取に勤しむ非人間的な娘を人間に変えようとする、そういうストーリーだろう。ただ娘に辿り着くまでにあそこまでの変身を遂げなければならないというのが悲しい。
この搾取の部分や、現代のドイツ的資本主義のプラグマティズムが娘をおかしくしてしまってるから、ああいう行動をとっていると理解しているドイツ人は、周りには残念ながら全くいない。ただ笑えるシーンと表面的に受け取っているに過ぎない。
映画自体は面白いが、ここドイツでも徐々にトランプ大統領を勝たせたような、臭いものに蓋をする的な「反知性主義」がここまで来ているのか周囲の反応を見て驚愕した映画でもある。
まぁ外国人である私の前で気を遣っている可能性もあるが、どうだろう。