イネスはルーマニアのブカレストで経営コンサルトの仕事をしている。
ある日 ドイツから父親のヴィンフリートが娘を訪ねてくるが、彼はとんでもない変わり者だった。
久々の再会に二人は特に心を通わせることなく、父親は帰っていく。
しかし、彼は再び娘の元に姿を現わす。
カツラと入れ歯をはめ変装したトニ・エルドマンとして…
彼は、娘の仕事先まで同伴して、おせっかいな事を平然とやってのける。
ストーリーが進むにつれ、娘には正体が分かっているのに、トニ・エルドマンと名乗って娘につきまとう滑稽な父親の姿が、だんだん悲しく思えてきました。
そして、娘のことが心配でたまらない父親と、彼を煙たがっていた娘の気持ちが最後には通い合っていくのを応援したくなりました。
父にとって娘はいつまでも娘であり、娘にとって父親はいつまでも父親なんですね。そんな当たり前のことの再認識させてくれる作品だったと思います。
ちょっと取っつきにくいところがありますが、良い映画だと思います。
※鑑賞にあたっての注意(とても大切なことです)
①尺が162分と長いので、時間には余裕を持って鑑賞してください。
②父親と娘の絆を描いた真面目なお話なんですが、80分前後と128分からご家族で鑑賞すると少し気まずくなるシーンがあるので、御注意下さい。ヨーロッパは性に対して大らかですね。
追記
この作品のハリウッド・リメイク版が製作されるそうです。主演はジャック・ニコルソンに決定したそうです。彼は今80歳。それも凄いことになりそうですね。
