meltdownko

午後8時の訪問者のmeltdownkoのレビュー・感想・評価

午後8時の訪問者(2016年製作の映画)
4.0
顔を奪われた人間の救済を試みようと彷徨を続ける姿を前にして、なんだか「わたしは、ダニエル・ブレイク」の裏返しであったようにも見えてしまう。あの映画が連帯の中に救いを見出す物語であったのに対して、この映画では救いを求めて伸ばされた手を拒絶することによる自責から、内的にも外的にも主人公は追い詰められていくことになる(ところで診療所に寝具を持ち込んだのはブラック企業的なアレなのか単に住んでいるのかどっちなんでしょうか)。だけどダルデンヌの描こうとした光景には少し共感しかねるところがあって、結局この理想のエクストリームって完全に滅私のディストピアであるだろうし、動機がどうあれインターフォンを無視する自由を認めるべきなんじゃないかと私は思うよ。
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