トモヒロ

午後8時の訪問者のトモヒロのネタバレレビュー・内容・結末

午後8時の訪問者(2016年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

主人公の女性医師ジェニーは、冒頭のシーンで、研修医に対し上司として「力関係を見せようと」したことから重大な過失をおかす。

ジェニーはそのことを悔いる。

体面やプライド、個人の利害関係によって、人は時に大きな失敗をする。そしてそれを「仕方がなかった」「私にはどうしようもない」で済ませようとする。

ジェニーはそうやって逃げることをしない。


本当に自分がすべきことを考え、今より条件のいい仕事の話を蹴って診察所を継ぎ、一人一人の患者と向き合いながら、事件の真相究明にあたる。



加害者の男は罪の意識に耐えきれずジェニーに事の真相を告白するが、「お前がドアを開けていればこんなことにはならなかった」「偉そうなんだよ」「医者ヅラするな」「俺を見るな!」と、ジェニーのまなざしに耐えられない。
自分が逃げてしまっていることから、ジェニーは決して逃げないからだ。

彼はジェニーから自首を促されると、「自首すれば仕事も家族も何もかも失ってしまう」と自殺を図ったところを、ジェニーに助けられる。



知らないフリをしていた被害者の姉が、物語の最後、ジェニーの診療所を訪れてくる。
そこでジェニーは被害者の本当の名前を知り、警察が被害者の身元をでっち上げて適当に事件にケリをつけようとしていたことを知る。

姉は去り際、「私の嫉妬心が原因で妹は死んでしまった」と告白する。
ジェニーは黙って姉を抱きしめる。自分を抱きしめるように。
トモヒロ

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