ろーたす

午後8時の訪問者のろーたすのレビュー・感想・評価

午後8時の訪問者(2016年製作の映画)
3.7
身元不明の少女の死を切り口にして、事件の真相の探究者、そして患者と関わる女医の両面からジェニーを見つめる。

アデルエネルを初めて観たのですが、まさに好演でした。欧州映画らしく、画としては静かで淡々としたものが続きますが、この作品を内容的にウェッティーに仕上げているのは間違いなく彼女の演技だと思います。彼女の演技自体、(オーバーな喜怒哀楽のような)大袈裟な表情の変化は無いのに、十分すぎるほど感情を感じ取れました。
ジェニーの少女への罪悪感を抜きにした、根っから持つ優しさがずっと伝わってきて、特に研修医の復帰を喜ぶシーン。しみじみ、じわじわと喜ぶあの様子が同じ温度感で嬉しくなりました。
そもそも、この形態の診療所は自己犠牲の払える医者じゃないとやってけないと思ったし、そこが随所で感じられたように思います。
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