RYUYA

午後8時の訪問者のRYUYAのレビュー・感想・評価

午後8時の訪問者(2016年製作の映画)
3.0
診察時間後に押されたチャイムに居留守しちゃった女医さんが、翌日遺体で見つかったその(チャイム鳴らした)身元不明の女の子への後悔の念から、自ら調査を進めてゆくという話。

犯人探しの物語ではなく、遺体の身元探しというのが実にダルデンヌらしい語り口だった。探偵ごっこしてゆくうちにのめり込み仕事が疎かになり、飛ばしたりするのが普通だけど、女医さんは仕事を一切怠ることなく、スキマ時間で方々に出向く。そんな部分までリアリティを優先させたいのか!と若干引いてしまった。『サンドラの週末』は良かったけど、ダルデンヌ兄弟の映画はフィルムでこそあった説得力や余韻が、近年のデジタル化によって、なんだかサラッと流れてしまってる印象。「残念」とまでは言わないし、トマトを切ってるシーンとか、日常の仕草を徹底して撮りこぼさない姿勢はやはり素晴らしいが、「うーん」な凡作だった。
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