紫陽花

愛を綴る女の紫陽花のレビュー・感想・評価

愛を綴る女(2016年製作の映画)
5.0
冒頭からラストまでマリオン・コティヤールのむせかえるような色気に満ち溢れていました。今では当たり前の恋愛結婚も当時は日本と同じように珍しかったのか、まるで小鳥をつがいにさせカゴに入れるがごとく、成熟を持て余す娘に男をあてがう母親。そこからは子に対する愛情を一切感じませんでした。
唯一救いだったのは、マリオンの妹が姉を慕っていたこと。それと最大の味方がつがいにさせられた夫で、息子を可愛がり今時の言葉で言えばイクメンだったこと…最高じゃん!と羨ましくなりますが、母から愛情をもらえなかったマリオンは、家庭そっちのけで自分自身を取り戻すために愛を求めて相手に夢中になりすぎて…最後は本当にハッピーエンドで良かった!と安堵しました。
チャイコフスキーの舟唄がマリオンの気だるい色気を余計に演出していて、なんとも言えない雰囲気にぴったりで、好きなクラシック曲になりました。
マリオン・コティヤールは類稀なる美しさと演技力を兼ね備えた稀有な女優さんです。2回目の鑑賞でしたが本当に素晴らしい演技力と作品でした。もちろん風景もセットもお衣装も全てがパーフェクトでした。